文学賞 |
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本 |
返信を書いていたら話が膨らみすぎたので切り離して単独投稿。
『文学賞メッタ斬り!』シリーズを読むといろいろ問題点がわかる。
芥川賞・直木賞には問題がありすぎる。
(どんな問題かは書くのが面倒なので上記の本を読んでください)
それでも one of them であれば構わないんだけど実際は最も権威と影響力のある賞になってしまっている。
ベストセラーと芥川賞・直木賞しかほとんど取り上げないメディアというか主にTVにも問題がある。
(新聞や雑誌は他の本も取り上げているがTVのような影響力はないので)
賞が多すぎるのも悪いんだけど。
直木賞へのアンチテーゼ的な意味のある本屋大賞は頑張っているが,書店員による人気投票という性質上,大衆文学に偏り,中でもみんなが好きな無難なものになりやすい。
それに,元々読んでる人が少ない作品は上位になれない。
分母が違うのに投票数で差をつけるのは公正とはいえない。
過去の受賞作はいい作品が多いと思うし,あれはあれでいいが,あれが賞としての最権威となるのには賛成できない。
娯楽目的で本を読むときにハズレを引かないようにするブックガイドとしてはいいけど。
やっぱり英ブッカー賞や全米図書賞みたいな権威ある賞ができてほしいな。
逆に賞なんて全部相対化しちゃう(実際そうなってる部分もある)っていう考えもあるけど,やっぱりそれだと本屋大賞と同じで,娯楽性の高い作品や分母の大きい作品に評価やセールスが偏っちゃうと思う。
必ずしも娯楽性の高くない純文学や難解な作品,前衛的な作品に光を当ててあげることも大事だし,SFみたいにジャンルで差別されてしまう作品も評価されるべき。
わかりやすい面白さばかりが評価され読まれていくと,縮小再生産されていくだけで世界が広がらないし。
普段は本屋大賞的な作品しか読まないけど,○○賞受賞作品(最終候補作品・ランキング上位作品)は読んでみよっかなと思わせて,読むことで世界が広がる経験をする,そういう賞があってほしい。
あと,マイナー作品に光を当てるという意味では,部数制限を設けて,前年に出版された作品から,売れてないけどいい作品を選んで賞をあげるとかダメかな?
直木賞候補作『半落ち』の評判 |
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Quote 本 メモ |
横山秀夫の初長編『半落ち』(講談社)は読み応えのある傑作で、販売部数もずいぶん伸びたようだ。週刊文春の「傑作ミステリーベスト10」と宝島社の「このミステリーがすごい!」の国内部門の1位に選ばれたとのことで、いい本を読ませてもらった一読者として、けっこうなことだと思っていた。本は売れさえすればいいというものではないが、広範な読者が質の高いこの作品を支持したということだろう。
ところがとんだところでミソがついた。第128回直木賞にノミネートされ、結局受賞はならなかったのだが、朝日新聞の報道によると、選考会後の講評で選考委員の林真理子から、作品の重要な要素となっている受刑者である主人公の骨髄移植が「現実には許可されない」という指摘が出た。林真理子言うところの「世評は高かったが、委員の評価はそれほどでもなかった」だけのコメントなら、選考委員の価値観の問題だから読者も作者も文句を言う筋合いのものではないが、作品の骨子となる題材が現実には成立しない、すなわち作者の決定的な事実誤認による欠陥作品だと言われたのである。
その後、この論争を取り上げた3月19日付の朝日新聞によると、このときの林真理子は事実誤認の指摘の後、さらに「ミステリーとして成立しない」「(調べる人がいない)ミステリー業界も悪い」とも発言したという。
何が問題とされているかをわかっていただくためには、ざっとストーリーを紹介せねばならない。
W県警教養課次席の梶警部(49)は、骨髄性白血病で死んだ我が子の命日さえわからなくなったアルツハイマー病の妻の懇願に負けて、彼女を扼殺してしまう。そして2日後、自首する。梶は殺害状況や動機は素直に供述するのだが、殺害してから自首するまでの2日間の行動については口をつぐんで語ろうとしない。この謎の2日間をめぐってストーリーは展開していく。
物語は6章立てになっているのだが、最終章でこの謎が明かされる。
梶は一人息子を白血病で亡くしたあと、骨髄バンクにドナー登録をしていた。そして登録から2年後、適合者に選ばれて1人の患者の命を救うことができた。妻殺害後、天涯孤独の梶は自死しようとするが、新聞の投書で自分が救った患者が東京・新宿の歌舞伎町のラーメン屋で働いているらしいことを知っており、絶望の中で自分と血のつながりがあるその提供者をひと目見てから死のうと歌舞伎町に出掛けていく。しかし犯罪者となった自分が骨髄提供者であることをその若者に知られてはならないと、梶は2日間の行動を黙秘していたのである。
これが謎の2日間の正体なのだが、死んだ息子とほぼ同じ年の提供者が元気に生きていることを目の当たりにして、骨髄を提供してもう1人、命を救いたいという思いに駆られて自死を思い直し、生き恥さらして自首の道を選ぶ。骨髄を提供できるのは50歳まで。梶は受刑者として51歳の誕生日まで生きようと心に決める。
この設定に決定的な事実誤認があると林真理子は言うのである。つまり梶の骨髄移植が「現実には許可されない」という。そればかりか、この「決定的な事実誤認」を発見できなかった出版社やミステリー界も同罪だと言わぬばかりのもの言いなので、関係者は騒然となった。
出版元の講談社は、自社のWebサイトで文芸局長名の読者向け「見解」を発表したが、これがもうひとつ迫力がない。「作者の横山氏と編集部は刊行以前に充分な調査を重ねた上で、このケースは妥当な設定であると判断し、作品中にはそのことを示す配慮を施して刊行したことをお伝えいたします。」と書いているが、何をどう判断してどういう配慮をしたのか、第三者にはさっぱりわからない。半分言い訳に聞こえて、「決定的な事実誤認だ」と言い切っている林真理子に分があるように感じられる。
前記3月19日の朝日新聞によると、林真理子はさらに『オール読物』3月号の選評で、「落ちに欠陥がある……しかしそれほど問題にもならず、未だに本は売れつづけている。一般読者と実作者とは、こだわるポイントが違うのだろうか」とまで書いている。自信満々。自分が欠陥作品と指摘した本が売れつづけていることが我慢ならないらしい。
もし林真理子の言うとおりだとするなら、決定的な事実誤認を見抜けず感動した多くの読者も欠陥作品に酔いしれた節穴目の持主ということになり、彼女に嘲笑われたに等しい。この作品に感動した一読者として、私もおもしろくない。一読者であると同時に、私も三十数年ものを書きつづけてきた物書きの端くれ。林真理子に言わせれば、実作者としても失格となる。彼女の言い分が正しいなら嘲笑されても仕方がないが、実のところはどうなのか。
で、作者や講談社と林真理子のどちらが正しいのか、もう一度核心部分を読み直してみた。
7/2 本日の帰宅BGM |
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- Perfume: アルバム「GAME」
6/30 本日の帰宅BGM |
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- 椎名林檎: アルバム「無罪モラトリアム」
本日の帰宅BGM |
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本日の帰宅BGM |
- ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番
クラシック音楽 | リスニングルーム | ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
YouTube - Kissin -Rachmaninov piano concerto n.2, I. Moderato (part1)
わざわざ動画のURLを貼っていたのはクラシックファンが増えるといいなあという思惑なのだが,YouTubeのはまあグレーな感じだとは思うので,クラシックの青空文庫「ユング君」へのリンクを優先的に貼る。
学問とメディアと娯楽を本に一本化 |
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本 TV |
最近ほとんどTV観てないなぁ。
「ながら観」じゃなく,ちゃんと観てるのは『ガンダムW』の再放送くらい。
新番組もまだ全部チェックしてないからわからないけど出来るだけ少なくしたいと思っている。
TV観なくなって以前よりは時間を有効に使えてる気がする。
でもまだまだ不十分。
ネットと雑誌に時間を使いすぎている。
ネットはやっぱりこことmixiと知人のブログ以外はなるべく行かないようにしたい。
問題は雑誌だな。
かなり時間使ってる。
しかもすべて立ち読み。
お金がないとはいえ褒められたことじゃないよな。
地元のコンビニや本屋の店員に「あの人また長時間立ち読みしてるよ」って思われてそう。
しかも,コンビニで長時間立ち読みしたときは後ろめたくて結局飲み物とか買ってお金使っちゃったりしてるし…。
全部は無理だけど,マンガ雑誌と芸能系の雑誌は読むの止めよう。
他の雑誌も厳選しないとな。
やっぱり何だかんだ言って,本になっているものを読むのが自分の血肉になる気がする。
http://xmny3v.sa.yona.la/589 |
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本日の帰宅BGM |
本日の帰宅BGM
- ショスタコーヴィチ: 舞台管弦楽のための組曲(ジャズ組曲第2番)
CD買ったのをiTunesに入れてた。iTunes(Win)の動作の重さはなんとかならんのか。
「僕と鼠」3部作 + その後の「僕」 |
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Amazon 本 |
『風の歌を聴け』は前にも載せたけど,シリーズものということで重複投稿。
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』で「僕と鼠」3部作と言われている。
『ダンス・ダンス・ダンス』には「鼠」が出てこないので正式に4部作とは言われていないが,主人公の「僕」は同一人物でストーリー的にも続いているし,特に前作の『羊をめぐる冒険』を読んでいないとよくわからない話になっているので事実上の4部作と言ってもいいだろう。
ちなみに『ノルウェイの森』はこのシリーズと直接のつながりはないが,『1973年のピンボール』に『ノルウェイの森』を思わせる名前とエピソードが出てくる。
作中の時代設定を考えると,『ノルウェイの森』はエピソード1というかエピソード0的な原物語にあたると考えられる。(ストーリーは『蛍』という短篇が元)
もちろん主人公の「僕」は別人物で,整合しない部分もあるのでパラレルな関係になるのだが。
他の作品はまだ読んでないからわからないけど,村上春樹に関する文章をいくつか読んだところによると,村上作品には他の村上作品の登場人物やエピソードを思わせるような部分がよく出てくるようだ。
元々村上春樹は1作の中でもパラレルワールドと現実世界を行ったり来たりしたり,ごちゃ混ぜにしたりするのが売りだから,別の作品と作品も似ているけどちょっとズレているパラレルな関係になっているということだろう。
4部作の中では『ダンス・ダンス・ダンス』が1番気に入った。
「ユキ」という13歳の少女がとっても魅力的なのだ。
村上作品はやや難解なメタファーやパラレルが評価されていて,良くも悪くも批評の対象になっているのかもしれないが,この「ユキ」にしろ『ノルウェイの森』の「小林緑」にしろ,瑞々しい女性キャラクターがいいなと俺は思う。
それにしても,村上春樹のメタファーやパラレルをいったいどれだけの人がわかってるのだろうか?
俺は部分的にはわかるけど,よくわかってないところも結構ある。
村上春樹自身も100%分析的に読めちゃう(逆に言うと計算で書かれた)作品がいい作品だとは思わない,もっと心で感じてくれみたいなことを言ってた気がするから,わかってないのは別にいいと思うんだけど,わからない深さがあることはわかっていてほしいと思う。
A Summer's Reading |
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本 |
坪内祐三氏の『ストリートワイズ』という本をパラパラっと立ち読みしていたら,その中に,坪内氏が昔読んで影響を受けた小説として,バーナード・マラマッド『夏の読書』についての記述があった。
そこにはその短篇のあらすじも書いてあり,読んでみたところ,どこかで読んだことのある話のような気がした。
しかし,その場で記憶を辿っても思い出せなかった。
ここ数年,本は買って読むようにしているし,買って読んだ本ならまったく思い出せないということはない。
それ以前はそもそも海外文学なんて読んでいなかった。
いったいどこで読んだのか…。
そして俺はふと思った。
自発的に読んだのではなく読まされたのではないかと。
そう,俺はこれを学校の授業で読んだ(読まされた)のだ。
大学の必修英語の授業,その1つがピューリッツァー賞作家の短篇を読む授業だった。
帰宅して(掃除・整理整頓のときに動かすことはあったが)5年以上開くことのなかったテキストを開いた。
『夏の読書』の文字はなかったが代わりに『A Summer's Reading』の文字があった。
この3,4年で海外文学に目覚め,原著で読む力が自分にあったらなと常々思っていたが,まさか(教授の力を借りたとはいえ)すでに経験済みだったとは。
Re: 例の翻訳プロジェクト (4) : 次の次の名人戦の開催場所
例の翻訳プロジェクト(5) : 今年も将棋のウェブ観戦記をやるらしい(梅田氏) |
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Reply 将棋 日本庭園 |
引用 :
佐藤康光棋聖・棋王に、羽生善治王将・王座が挑戦する今年の棋聖戦。
第一局が6月11日(水)に開幕します。
来週は丸々一週間休暇を取って、土曜日にシリコンバレーから日本に飛び、
その日だけの「特別観戦記者」として、第一局が行われる新潟市「高島屋」に行くことになりました。
~ - ~ - ~ - ~ - ~ - ~ - ~ - ~ - ~ -
自分としては、将棋の駒がどう動くかについては あまり興味がない。
興味あるのは、そのロケーション。 将棋トーナメントに帯同 (帯同と言ってもウェブ上で) していくことによって旅気分に
なれるかどうか、自分の興味のポイントはそこ。
(日本庭園があるのが最高、ホッとする)
6月11日(水)の棋聖戦がおこなわれる新潟市「高島屋」はどうたろう。
いいところじゃないですかー。すっごい情緒ある。 建物は申し分ない高級旅館。
庭の方はというと、これもけっこう広い。地図の上では左側が山になっているから、その山を借景とした日本庭園。
ロケーションとしては十分やね。(最高)
まぁただ、6月の15日に行われる名人戦の京都東本願寺 渉成園(しょうせいえん)とまではいかない。
そりゃそうだろう。京都の方は151年と経てる庭やから。(作庭1858年)
将棋のまったりした時間と日本庭園、そして時々おとずれる緊張感。
十分 旅気分になれるんじゃないでしょうか。
竹林最高。
・ 高島屋
http://www.takasimaya.co.jp/index.html
・ 翻訳プロジェクト
フィリップ・マーロウ 登場作品 |
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Quote 本 |
長編
大いなる眠り(1939年)
さらば愛しき女よ(1940年)
高い窓(1942年)
湖中の女(1943年)
かわいい女(1949年)
長いお別れ(1954年)
プレイバック(1958年)
プードル・スプリングス物語(未完だが、のちにロバート・B・パーカーにより完結される)
中短編
密告した男(1934年)
マーロウ最後の事件(1959年)
他に、マーロウ以外の探偵が登場した作品を、のちにマーロウものに書き改めた短編がいくつかある。