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Re: 貼り逃げ
因果応報ってホントだなオイ・・・ |
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Reply 自己レス |
HDDレコーダーが一台逝ったっぽい。
あまりにもタイミングがバッチ☆グー(CV:高橋李依)でステキ。
Re: グラボが逝ったっぽい
も、も~ばかぁ~!これじゃあ戦えないっぽい!? |
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なんか、ちょっと本格的に寝込むっぽい。
ソロモンの悪夢、見せてあげる!
Re: さぁ、キミもInstagramデビューしてみないか。
毛脛撮ってみたら新しい世界が開けそうになった。(挨拶) |
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Reply 思考の泡 ばか |
座ったままカメラ起動したらそうなったんだもん。画像は上げない。
で、酒を分解するには糖が要るみたいですよ?
なんだか、喉乾いたらビール飲むみたいな、迎え酒的無限ループになりそうですが。
昨今のメシ漫画でも、酒自体にはあまり触れないですよね。カクテルとかワインとかのやつはあったか。
「うめしゅ!」
かもすぞー(違法)
さぁ、キミもInstagramデビューしてみないか。 |
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iPhoneで撮影するときに、シャッターボタンの右にある○が3つ重なってるボタンを押せば誰でもとれるよ!(挨拶)
もうねぇ、前回のスモモ酒、呑むと確実に頭痛くなるんですよ。
砂糖をドバドバぶっ込んだ酒、とか、普通に想像して体に良いわけ無い。
一般的な梅酒用の焼酎甲類はアルコール35度。カビが生えない安全パイ的な意味で高度数。
飲む時に割って薄めるわけですが、果実酒としての味わいも薄くなっちゃう。
より低い度数で漬ければあまり薄めずにいけるので味わい深いですが、度数を下げれば下げるほどカビに気を遣うことに。
20度以下の酒で漬けるのは法的な意味でアウト。
氷砂糖なしでやれば美味しく出来るんじゃね?って思ったんですが、全く入れないと何年経っても美味しくはならないらしい・・・
普通に梅酒道は既に存在していると思う・・・・
Re: 小宇宙
Instagramみたいな色の写真。 |
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Reply ばか |
>新しいアート(造酒)
そうか、撮るところまで含めたアートであると標榜すれば酒税法をかいくぐれませんかね。
だめだな、銃刀法で同じことやったらどうなるか考えたらすぐわかった。
その新聞紙に乗つた瓶の底で、氷砂糖のやうな光の粒は、ほんたうに、掬つても掬つても、どこまでも甘いのです。
「ああ、なんだか酔払つて来てしまつたよ。」
「僕もだ。」
オレはかぷかぷわらつたよ。
だから砂糖減らしたっつってんだろ。
Re: むちむち
銀河鉄道に拠る |
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Reply ばか |
・>(BAD END)。
ザネリときたら大したもんだ。痴漢冤罪美人局、カムパネルラの人の良く気の弱いのをいいことに、どっちにしても万円以上もうけるぜ。
・以下いつものラ。
銀河鉄道の夜のような夜
https://www.youtube.com/watch?v=smBdi2rvFiY
・オツベルと象は「ある牛飼いがものがたる」話なので、この牛飼いがうしかい座だとすると、むしろ話全体が銀河鉄道の夜の一部を切り出したものである可能性すらある、などと供述しており〔以降原稿なし〕
Re: 多分、乗ります。
むちむち |
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間違えた、無知の知。
>罪を知る者に罪は無い。では汝に問う、汝は罪人なりや。
銀河鉄道の夜しかり、灰羽連盟しかり。いわゆる『LIMBO』が題材になっている作品は、緩やかに穏やかに、でも着実に結末へと導かれる切なさがいいですよね(ゲームのあれはあんまりだけど)。
さておき。乗った後に、車内で友人と出くわしたら戦慄しますよね。
「石炭袋で降りるのはヤツと俺のどっちだ!?」みたいな。
・お互い、ガチで心当たりがない。
・もしくは、向こうは心当たりがあって結末を悟っているけど、コッチを不安にして楽しむために心当たりが無い振りをしている。
みたいなシチュエーションで、現代劇としてリメイクしたら面白そう。
切符の代わりに交通系ICカードで。カムパネルラが「僕のチャージ残高はここまでなんだ」とか言い出す。
「だったら車内でグリーン券買うなよ!w」みたいな切り返し。
車中、やたら「この列車は空いていて良いね」と繰り返していたカムパネルラ。
現世に戻ったジョバンニは、痴漢えん罪で投身自殺した友人の事実を突きつけられる(BAD END)。
あの話の肝って『露骨に仲が良すぎるわけでは無い』っていう二人の距離感が上手く働いているからこそ、なんだろうなぁ。
「川にはいっちゃいけないったら。」っていうオッベルと象の最後の言葉は、実は『銀河鉄道の夜の最後に書き足そうとして間違えた説』を提唱したい。
Re: そうだ、アカウント、分けよう。
http://x3ru9x.sa.yona.la/13691 |
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uqb5z7をお気に入り登録しました。 俺は長文 OKですよー。
小さな世界を少しだけ泳ぐ * 6/20 |
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私が与える餌と、私が与えるきれいな水と、私が与えたこのガラスの壁に区切られた小さな世界と、金魚はそれしか知らない。見つめる私の視線を受け止め、それを拒みはせず、この世界はこういうものなのだと、あるとも知れない脳みそで考えて、金魚は見つめる私を見つめ返して来る。
駅から帰ってくると、交差点に違和感があった。信号機が新しくなっている。
交差点に立つ賃貸マンションの隣りにはコンビニと弁当屋が入っていて、どちらもあいかわらず繁盛しているみたいだ。地の利だろう。エントランスの目の前には今僕が渡ろうとしている横断歩道があり、それをこっち向きに渡ってそのまま5分も歩けば駅だ。区画整理が進みつつあるこの街では、相続と売却を繰り返されて細切れになった土地をまたまとめてこんな建物にするのが流行っているようだった。僕はこの土地での仕事が決まって家を探している時に、主に単身者向けのこのマンションでたまたま空きが出ているのを知って、ろくに内見もせずに契約した。
ぼんやり眺めていると車用の信号が黄色になって赤になる。それに合わせて二歩ほど足を踏み出すと、計ったように歩行者用の信号が青に——ならない。
僕は足を止める。同じ向きの車用の信号は青になっている。タクシーが曲がってきて、まだ道を渡ろうとしている老人にクラクションを鳴らす。
信号機と一緒に信号のパターンも変わったのか。慌てて歩道に戻り、周りをよく見ると柱の根元に注意書きが申し訳のように立てかけてある。
これはここにあっても誰も読まないよな。信号を渡る時は向かいの信号機しか見ない。もっとも僕はその信号機もよく確認せずに歩き始めたのだけど、とにかく八つ当たり気味に看板を見ていると、振り返った女性と目が合う。彼女も普段の癖で歩き出したのだろうか、同じ看板を見ていたようだ。ひょっとすると僕につられて歩き出してしまったのかもしれない。
ばつが悪くなって思わず苦笑してしまった僕は、視線を一旦マンションに戻す。同じマンションだったら恥ずかしい。
信号が次に本当に青になったら、それをよく確認するふりをして、彼女の後で歩き出そう。彼女がエントランスに向かったら僕はコンビニに入ることにする。彼女がコンビニに向かうなら真っ直ぐ部屋に戻ろう。このまま集合ポストやエレベーターでまた一緒になっても気まずいし、ストーカーだと思われるとやっかいなことになる。
いや、それなら逆に僕が先にエントランスに向かって、この建物の一室が僕に与えられた世界だということを示しておこうか。僕はたまたま空いていた部屋をとりあえずのつもりで契約したけど、何となくそのままずるずる住み続け、もう何年かになる。相変わらず物はあまり持たないままだし、誰かと同棲を考えるようなところまで関係を深めることもなく、異動願を出すほどこの土地を離れたいわけでもない。
彼女がコンビニに向かうならそれでよし、同じようなタイミングでエントランスに入ってきたらドアを押さえていてあげれば済む。一瞬のことだ。誰も僕のことなどそれほど気にしてはいないはずだ。僕だって家の目の前の信号で今日増えた小さな親近感や違和感にもすぐ慣れてしまい、きっと忘れるだろう。
そんなことを考えながらポケットからキーケースを取り出そうとして、ふと彼女を見ると、また目が合う。彼女はバッグに入れかけた手を自然な動作で止めて、困ったように微笑む。取り出そうとしたのは鍵だろうか財布だろうか。
僕もまた困って同じように笑い、キーケースをじゃり、と彼女に聞こえるように音を立てて握る。信号が青になったのを見てから、普段より大股でエントランスへ歩き出す。
金魚と私 * 6/19 |
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じゃあ、もらってくださいよ、とはまだ言えない。言った方がいいのかどうかもまだわからない。
私は黙ったまま夏の午後の窓枠を横目に、澄んだ闇と憂いを静かに混ぜ、不透明に明るい幕で覆う。バーだったら振ってしまうのだろうか。それともこれ以上触れないままの方がいいのだろうか。
でも、彼女も彼女も、そして多分彼女も、フレームの中だけの存在でないことが俺にはわかるし、少なくとも彼女は自分の恋を食べて生きていることもわかった。今はそれでいいと思えるようになったのも、きっと彼女のおかげなんだろう。
ただいまと言いながら、かかとをすり合わせて靴を脱ぎ、私は部屋の中へ入りながら大きくため息をついた。
人混みを肩を縮めて歩いて来て、自分の部屋にたどり着いて、薄暗いちょっと淀んだ空気の中の静けさに、私は全身の力を抜く。
「ただいま。」
今度はもうちょっと声を張る。ネクタイをゆるめて、荷物を適当に置いて、着替える前に床に坐り、そこだけ薄青く発光する小さな水槽の中で、私を正面から見ている小さな金魚へ向かって精一杯の笑みを浮かべる。
疲れが一挙に全身に押し寄せ、それでもひらひらと薄いひれをなびかせて私を見つめる金魚の、鮮やかな緋色から少しずつ金色に寄ってゆく鱗の連なりを見つめているうち、この部屋の外で今日も起きたことすべて、私の背中から次第に遠ざかってゆく。
「やあ。」
金魚に向かって、私はひらひらと手を振った。
顔の両側に飛び出した目、丸く開いた、ぱくぱく水中の空気を求める口、私たちの思う表情と言うものは特になく、それでも泳ぎ方や口の開き方やひれのなびき方で、金魚は確かな喜怒哀楽を伝えて来る。
触れるためには水の中に手を入れる必要があり、水の中以外で金魚は存在することはできず、この、せいぜいひと抱えほどのガラスの水槽の中で、わずかに置かれた水草の間をくぐるようにして1日過ごし、仕事に疲れて帰って来る私のどす黒い顔を眺めて、それが金魚のすべてだった。
そして金魚が、私のすべてだった。
水槽のガラスへ掌を軽く押しつける。指の付け根の、かすかに盛り上がった辺りへ、金魚が口を近づけて来る。水とガラスと空気に隔てられた、金魚と私の関係。金魚とふたりきりでいられたらいいのにと、私はもう長い間考え続けていることをまた考えている。
丸い張り切った腹、輝く鱗、どこまでも繊細に華麗なひれ、黒々と濡れた瞳、私だけが見ることのできる、金魚の姿。
私が与える餌と、私が与えるきれいな水と、私が与えたこのガラスの壁に区切られた小さな世界と、金魚はそれしか知らない。見つめる私の視線を受け止め、それを拒みはせず、この世界はこういうものなのだと、あるとも知れない脳みそで考えて、金魚は見つめる私を見つめ返して来る。
私は金魚を、たまらなくいとおしいと思った。
遅くなった昼休みに、何を食べようかと考えながら歩いていて、ふと視線に入った喫茶店の窓の中に、カウンターに向かい合う人たちの姿が見えた。半分だけ見える顔(男だった)とこちらに向いたちょっと丸い背中(女と知れた)。
一瞬顔の位置をずらし損ねて、ふたりの間の距離をうっかり測ってから、ようやく私は視線を外してまた歩き出す。
通り過ぎる交差点で、止まっていた車の中にいたふたり。腕の位置で、助手席の女が運転席の男に触れているのが分かった。
どちらのふたりも、窓の枠に切り取られて、水槽で仲良く一緒に泳ぐ魚のように見えた。
あれらのふたりは何にも隔てられてはいず、同じ世界に一緒にいる。同じ空気を吸い、互いの吐いた二酸化炭素を取り込み、吐き出しては吸い、一緒にいる。
金魚と私は、そのようなふたりにはなれない。ひとりと1匹。ふたりにはなれない。
この水の中に頭を突っ込んで、溺死することはできるだろうか。私の吐いた二酸化炭素を、金魚が吸う。そして吐く。金魚の吐いたそれを、死ぬ寸前の私が吸う。吸い込んだまま、死ぬ。そうして私たちは、かすかでも何かひとつのものを互いの肺の中に共有する。
土を食み、たゆたう者 * 6/19 |
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外から見える私たちは、窓枠で切り取られてふたりきり、小さな水槽に入れられた魚のように見えるだろうか。区切られた世界にふたりだけで、誰も私たちを指差さず、私たちの存在を知りもしない、そんな世界。
溶けないこのアイスと同じように、一途な私の想いは、溶けてもコーヒーにはきちんと混ざらないのと同じに、どこにも行けず、何にもなれず、私の胸の中でただふくらみ続けている。
「マスター。これ、美味しいんですかね。」
私がつまんでいるのは魚の餌だ。
「ん? ああ、お腹すいたの? 食べてみてもいいよ。お勧めはしないけど。お砂糖とミルクはお使いですか。」
マスターはゴブレットを磨きながら、真顔でそんなことを言う。
「いえ、いいですよ。だってこれ土とか砂みたいじゃないですか。」
「ブラックがお好みでしたか。」
「そうじゃなくて。いつもぱくぱく美味しそうに食べてるよなあって思って。」
「あまり量をやらないでくれよ。食べすぎたり溶け残ったり、ろくなことないから。」
マスターの手がゴブレットからタンブラーに移ったのをきっかけに、私は餌を注意深く量って水槽に落としていく。
「その水槽はそいつらの街であり寝室であり、風呂であり食堂でありトイレでもあるからね。」
「後半の話は、お客様がいらっしゃったら止めてくださいね。」
そんな風にデリカシーがないから離婚になっちゃうんですよ、という軽口はまだ叩けない。
しばらく前に、何だか最近元気がないなと思ったことはあったが、マスターはどうやらその頃に離婚していたらしい。私が先週、テーブル席を片付けていた時、カウンターの中の手が止まる気配を背中で感じた。
話題を出した常連のお客様は私がそのことをとっくに知っていると思っていらしたのだろうか、それとも知らないと見て、あえて軽い触媒の役を買って出たのか。私は普段、この店では聴覚を半分閉じて、お客様の会話を全部は聞かないようにしている。でもあの時は私の手も止まりかけた。
マスターはそれに気付いただろうか。動揺の理由まで気付いただろうか。本当の理由は私も自分ではわかっていないのかもしれない。
「コーヒーも、よく考えると泥水みたいなものですね。」
磨かれたタンブラーを見て私は言う。さっきお帰りのお二人、コーヒーフロートの方のお客様にお出ししたグラスだ。
「失礼だな。」
マスターが笑う。
「水清ければ魚棲まずって言うだろう。この店だって結構淀んでるし、そういうのも必要なんだよ。」
私たちは父娘と見るには顔立ちが全く似ておらず、夫婦にしては歳が違いすぎ、多少の冗談を言い合えるようになってきてはいるものの、いつ誰がどこからどう見てもやっぱりただの店主と店員で、さっきのお二人が窓枠に収まる姿はその後ろに華やぐ街を写したようだった。
「マスター、お客様がいない間にちょっと練習させてください。ゴブレット使いたいんですけど。」
「いいよ。今日はそっち側で見ててみよう。」
「濃い方の水出しも使っていいですか。」
そう言いながら入れ替わりにカウンターに入って手を洗い、ブランデーと生クリームを準備する私に、マスターがまた笑う。
「店主に昼間から飲ませる気か? そんなんじゃ、もらい手がいなくなるよ。」
「メニューに載ってるじゃないですか。泥水と気違い水、お混ぜします。」
「後半みたいな言い方は、お客様がいらっしゃったら止めてくださいね。メニューの名前で言うように。じゃあ、もらおうかな。」
じゃあ、もらってくださいよ、とはまだ言えない。言った方がいいのかどうかもまだわからない。
私は黙ったまま夏の午後の窓枠を横目に、澄んだ闇と憂いを静かに混ぜ、不透明に明るい幕で覆う。バーだったら振ってしまうのだろうか。それともこれ以上触れないままの方がいいのだろうか。
「いいと思うよ。上手くなったね。」
味見をして微笑むマスターが、ゴブレットをコースターごとゆっくりこちらに滑らせる。白と黒の境目は傾けられたグラスの壁で溶け合い、カウンターに置かれた後もすこしだけ土の色に揺れている。
同じ色が唇に乗ったマスターに、私は紙ナプキンを差し出す。マスターの唇が触れていない側から味見をして、それでもマスターと同じ色になった唇をもう1枚の紙ナプキンで押さえ、ゴブレットの縁を軽くなぞった親指を拭う。
あなたを愛す * 6/18 |
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買い物へ出るよう水を向けたのは僕で、アイスに名前を書かずに友人の部屋の冷凍庫に入れておきたくなったのも僕だ。そしておまけのように見つけたシャーベットに、小さく願を掛けて割ると、きれいにふたつになった。
うまく割れても割れなくても、友人の利き手に近い側の手にあるほうを渡すことは買う前から決めていたし、実際そうした。友人は僕がアイスをうまく割れるかどうか気にしていただろうか。どちらを渡すか気にしていただろうか。
ハンカチでぱたぱたと顔を仰ぎながら、通りすがりの喫茶店へ入る。このまま歩き続けるには暑過ぎる。少し休んで行こうと、素早く交わした目配せでそう言い合った。
彼女はアイスコーヒー、私はコーヒーフロート、メニューを斜めに見て互いに10秒も掛からずに注文は決まり、窓際の席で涼しい風を堪能して、私たちは路上を行き交う人たちを眺める。
路面からかげろうの立ち上る、夏の午後、汗を拭うのにハンカチ1枚では足りず、私はすでに使っていたハンカチをカバンの奥へ押し込んで、新しいのを財布の上辺りへ置いた。
「暑いね。」
「暑いね。」
ちょっと違う調子で言い合って、すぐに出て来た冷たい飲み物に、私たちはさっそく口をつける。
店内にぎっちりと満ちた冷たい空気で、汗まみれの皮膚は冷やされ、氷の浮いたコーヒーで喉の奥と胃が冷やされてゆく。
ようやく人心地ついて、私たちは同時につるつるしたテーブルへ肘をついた。
「飲む?」
彼女が、自分のアイスコーヒーを私の方へ差し出して来る。私は首と背中を伸ばして向こう側へ近寄り、ストローを唇の間に挟んだ。
すでに彼女が触れているそのストローから、私はひと口、ゆっくりと苦いコーヒーを飲む。
「飲む?」
お返しと言う素振りで、私は自分のコーヒーフロートを彼女の方へ滑らし、私がすでにそこに唇を寄せたストローの先に、今度は彼女の唇が触れる。白いストローに薄く茶色が走り上がってゆく先の、彼女の口紅がなくても十分に赤い唇に、私はじっと目を凝らしている。
「あまーい。」
「ブラックは飲めないもん。」
彼女が大袈裟に言うのに肩をそびやかして、彼女の唇の感触が消えないうちにと、私は急いでストローへ指先を伸ばす。
冷たいはずのコーヒーが、そのひと口は何だか熱く感じられて、唇を離した後で私はむやみにストローで氷をつついた。
彼女が、この間見た映画の話を始める。貧しい若者たちが何となく集まって、楽しく苦しく騒がしくバンドをやる話だ。きっと好きだと思うよと、彼女が私に言う。そうだろうねと私が相槌を打つ。
すでに見ていることは言わない。だったら一緒に行こうよと、彼女に言うためだ。私と一緒に、彼女はすでに見ているその映画を、もう一度見てくれるだろうか。
映画の前にお茶をして、映画の後に食事をして、そうして互いの乗り換えの駅で分かれて、私たちが友人同士でないなら立派なデートだけれど、私たちはただの友人で、今も彼女の買い物の付き合いに街に出て来て、私は内心とても浮かれている。
彼女はもう半分以上アイスコーヒーを飲み終わり、私はまだコーヒーに浮いたバニラアイスには手をつけず、良く効いた冷房のせいで、アイスは最後まで形を保っていそうだった。
外から見える私たちは、窓枠で切り取られてふたりきり、小さな水槽に入れられた魚のように見えるだろうか。区切られた世界にふたりだけで、誰も私たちを指差さず、私たちの存在を知りもしない、そんな世界。
溶けないこのアイスと同じように、一途な私の想いは、溶けてもコーヒーにはきちんと混ざらないのと同じに、どこにも行けず、何にもなれず、私の胸の中でただふくらみ続けている。
ずずっとちょっと品のない音を立てて、彼女がアイスコーヒーを飲み終わった。私も慌てて自分のストローへ視線を落とし、まだぼってりと丸い形を崩さないアイスの、わずかに黄みがかった白い輪郭を、なぞってそれが彼女のとても柔らかそうな頬の線に似ていると思う。
「ひと口ちょうだい。」
Re: お遍路さんモチーフのループもの、という舞台を思いつきましたがその先が書け ない。
たぶん、それがモチーフにしているのは |
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お遍路さんじゃなくて千日回峰行のほうだと思う・・・・
【以下、直接関係なし】
リゼロの結末、全てが解決して目が覚めた後に、露天のオッサンにリンガって言われそうな予感がしてならない。
Re: http://q7ny3v.sa.yona.la/2461
お遍路さんモチーフのループもの、という舞台を思いつきましたがその先が書け ない。 |
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Reply 思考の泡 ばか |
すべてが赦されるまで回り続ける。すべてが赦されるまで過去を変え続ける。歩き続ける。
が、ある地点での過去を変えたことで、地点ごとの現在や未来が違ってきてしまい、その整合性が取れないとすべて赦されたことにはならない、的なRPG。
条件が整った時点でエンディングに入るので、システム上、いわゆるラスボス戦みたいなものがないのがポイント。
リオンをどこで拾って「その後の道中のどこで一旦置いてきたまま一周巡ってくるか」等も、当然、各地点での未来に響きます。
地点ごとのフラグが「これは立ってる、これは立ってない、1、0、0、1、1、……00101101101」みたいにあらかじめ決められた条件に合致してからそのまま1周してきた時点でエンディングに飛びます。もちろん最後の周回でも、状況を変えたくなるようなイベント満載。
……デバッガ絶望待ったなし。
タイトルは「終わりなき旅/I Still Haven't Found What I'm Looking For」。
Re: 暑くなればアイスが溶ける(直球)
http://zig5z7.sa.yona.la/4171 |
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Reply 脊髄反射 ばか |
ラーメンズ 風と桶に関するいくつかの考察
Re: 暑い
賽銭箱に変顔ウッディでも潜ませればいいんじゃないですかね |
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Reply ばか タイトルで全部言っちゃった 変態‼変態‼変態‼変態‼ |
以下ばかでもない。
下段左が被写界深度で風と動きを感じて技ありですばらしいのです。
メーカーサイトの紹介画像でこれをやったら多分怒られるんだろうとは思うんですけど、これはこの風景を(もっと言えば、この一瞬を)愛でて切り取る写真だからこの方が絶対いいのです。ぜぇはぁ。
この瞬間は暑さとかどうでもいいわ多分。でも実際に暑くないとこの画は成立しない。境内を吹き抜ける一陣の風。蝉の声。逆光フレア。イケボなモノローグ。飛び散る万札。続きはCMのあと。
以下さらに蛇足。
これ、マトリックスみたいなやつに応用できないだろうか。多少気が遠くなるけど。
なんなら音もそうしてもいい。ずいぶん気が遠くなるけど。
「ティンとくる/きた」という言い回しのティンときた感。 |
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Reply 変態‼変態‼変態‼変態‼ |
触れた音っぽくもありそのものっぽくもあり、すごいな、と思います。
って調べたら元は滑舌と聞き違いが由来なのかよ。
琴線が奏でる音、食指が伸びる音は、オレの中ではドレミファインバータっぽい。あるいは仮装大賞の点数のあれ。