ついに現役復帰。ジョージ・ソロス氏が確信する中国経済崩壊のシナリオ=東条 雅彦 | マネーボイス |
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Quote |
引退していた世界3大投資家の一人、ジョージ・ソロス氏が、ついにトレーディングの現場に復帰しました。ソロス氏の狙いは中国売り。2016年に入ってからのソロス氏は執拗に「中国経済崩壊」に言及しています。
先月の伊勢サミットでは、安倍首相の「リーマン・ショック前夜」発言が海外メディアから「そんなわけないだろ」と突っ込まれていました。国内メディアからも、消費増税延期のための茶番だと非難する声が強かったのは周知のとおり。
しかし、ソロス氏と安倍首相の見方は不思議と一致しています。そして、安倍首相と違い、ソロス氏はオブラートに包むことなく、はっきりと「中国が震源地になる」と明言しているのです。
企業への貸付けが増えれば増えるほど バブル崩壊後の帳簿の仕分けが大変になる。 バブルを清算するための仕分け作業を本当にできるのか? (優良債権と不良債権の仕分け)
日本の場合、バブルに手を染めず まじめに会社経営していた人は普通に何事もなかった。(銀行内できっちり仕分けされていた) 中国が仕分け作業に失敗すると何事もない会社がそうではなくなる。 → だから暴動や混乱が起こる。 バブルで無茶をした自覚のある人は暴動を起こさない。 まじめにやっていた人が清算されて暴動を起こす。
金魚と私 * 6/19 |
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じゃあ、もらってくださいよ、とはまだ言えない。言った方がいいのかどうかもまだわからない。
私は黙ったまま夏の午後の窓枠を横目に、澄んだ闇と憂いを静かに混ぜ、不透明に明るい幕で覆う。バーだったら振ってしまうのだろうか。それともこれ以上触れないままの方がいいのだろうか。
でも、彼女も彼女も、そして多分彼女も、フレームの中だけの存在でないことが俺にはわかるし、少なくとも彼女は自分の恋を食べて生きていることもわかった。今はそれでいいと思えるようになったのも、きっと彼女のおかげなんだろう。
ただいまと言いながら、かかとをすり合わせて靴を脱ぎ、私は部屋の中へ入りながら大きくため息をついた。
人混みを肩を縮めて歩いて来て、自分の部屋にたどり着いて、薄暗いちょっと淀んだ空気の中の静けさに、私は全身の力を抜く。
「ただいま。」
今度はもうちょっと声を張る。ネクタイをゆるめて、荷物を適当に置いて、着替える前に床に坐り、そこだけ薄青く発光する小さな水槽の中で、私を正面から見ている小さな金魚へ向かって精一杯の笑みを浮かべる。
疲れが一挙に全身に押し寄せ、それでもひらひらと薄いひれをなびかせて私を見つめる金魚の、鮮やかな緋色から少しずつ金色に寄ってゆく鱗の連なりを見つめているうち、この部屋の外で今日も起きたことすべて、私の背中から次第に遠ざかってゆく。
「やあ。」
金魚に向かって、私はひらひらと手を振った。
顔の両側に飛び出した目、丸く開いた、ぱくぱく水中の空気を求める口、私たちの思う表情と言うものは特になく、それでも泳ぎ方や口の開き方やひれのなびき方で、金魚は確かな喜怒哀楽を伝えて来る。
触れるためには水の中に手を入れる必要があり、水の中以外で金魚は存在することはできず、この、せいぜいひと抱えほどのガラスの水槽の中で、わずかに置かれた水草の間をくぐるようにして1日過ごし、仕事に疲れて帰って来る私のどす黒い顔を眺めて、それが金魚のすべてだった。
そして金魚が、私のすべてだった。
水槽のガラスへ掌を軽く押しつける。指の付け根の、かすかに盛り上がった辺りへ、金魚が口を近づけて来る。水とガラスと空気に隔てられた、金魚と私の関係。金魚とふたりきりでいられたらいいのにと、私はもう長い間考え続けていることをまた考えている。
丸い張り切った腹、輝く鱗、どこまでも繊細に華麗なひれ、黒々と濡れた瞳、私だけが見ることのできる、金魚の姿。
私が与える餌と、私が与えるきれいな水と、私が与えたこのガラスの壁に区切られた小さな世界と、金魚はそれしか知らない。見つめる私の視線を受け止め、それを拒みはせず、この世界はこういうものなのだと、あるとも知れない脳みそで考えて、金魚は見つめる私を見つめ返して来る。
私は金魚を、たまらなくいとおしいと思った。
遅くなった昼休みに、何を食べようかと考えながら歩いていて、ふと視線に入った喫茶店の窓の中に、カウンターに向かい合う人たちの姿が見えた。半分だけ見える顔(男だった)とこちらに向いたちょっと丸い背中(女と知れた)。
一瞬顔の位置をずらし損ねて、ふたりの間の距離をうっかり測ってから、ようやく私は視線を外してまた歩き出す。
通り過ぎる交差点で、止まっていた車の中にいたふたり。腕の位置で、助手席の女が運転席の男に触れているのが分かった。
どちらのふたりも、窓の枠に切り取られて、水槽で仲良く一緒に泳ぐ魚のように見えた。
あれらのふたりは何にも隔てられてはいず、同じ世界に一緒にいる。同じ空気を吸い、互いの吐いた二酸化炭素を取り込み、吐き出しては吸い、一緒にいる。
金魚と私は、そのようなふたりにはなれない。ひとりと1匹。ふたりにはなれない。
この水の中に頭を突っ込んで、溺死することはできるだろうか。私の吐いた二酸化炭素を、金魚が吸う。そして吐く。金魚の吐いたそれを、死ぬ寸前の私が吸う。吸い込んだまま、死ぬ。そうして私たちは、かすかでも何かひとつのものを互いの肺の中に共有する。
町田 に ル を差し込むと マチルダ |
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メモ ゲームアイデア |
ルがあるかないかで和洋が切り替わる。 ルが現れるか消えるかがスイッチ。
「ル」スイッチ。
● 和風か洋風か、という選択肢を設定するのではなくて、
・ いままでの話の流れから和風にすると謎が解けるとすでにわかっている。
↓
・ あとは和風か洋風かに切り替える鍵になるスイッチを見つけるだけ。
(上記、「ル」を見つける)
↓
・ ヒントは鍵になるスイッチを見つけて和風になったときどうなるのか、の2手先に置いてそこから引っ張ってくる。 逆算して考えると鍵のありかの見当がつく とする。
鍵に届きそうで届かない距離感のアヤを演出する。
大きく話の流れを変えてしまうような選択肢は設定しない。 話の流れは一本にして、その話の流れが暗くなるのか明るくなるのか、悲観的になっていくのか希望が見えてくるのかの雰囲気の違いが出るだけの選択肢にする。 話の流れの表情を何種類か考えるということ。
仮に、銀河鉄道に乗る機会があったとして。 |
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あなたは乗車しますか?
(ただし、自身がジョバンニかカンパネルラかは分からないものとする。)
以下、本文。
なにがしあわせかわからないです。
ほんとうにどんなつらいことでも
それがただしいみちを進む中でのできごとなら
峠の上りも下りも
みんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。
sa.yona.laのごくごく軽微な不整合(?) |
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sa.yona.la |
「存在しないユーザの記事を想定したURLに飛ぶと、飛んだ後のページ左上の『sa.yona.la』へのリンクが、sa.yona.laトップページではなく当該ユーザのトップページになっている。」
「存在するユーザの、存在しない記事」でも似たようなことが起こる。
上記の動作はページほぼ中央の「トップページ」へのリンクも同様。
以下、再現の手順。
1. http://totono.sa.yona.la/20130628 に飛んでみると、「このページは存在しないか、削除されています。」と表示される。
2. その状態で、ページ左上の「sa.yona.la」をクリックすると、http://totono.sa.yona.la に飛び、ページの見かけ上の内容は変わらない。
この状態ではsa.yona.laトップページに直接戻れない。
上記の前者の動作。
(ページ内の他のリンクからなら、段階を踏めばもちろん戻れます。)
3. http://zig5z7.sa.yona.la/999999999 に飛んでみる。この時も存在しない旨のページが表示される。
4. 飛んだ先で、ページ左上の「sa.yona.la」をクリックすると、http://zig5z7.sa.yona.la に飛ぶ。
上記の後者の動作。
なぜこれが不整合に見えるかというと、例えば、
5. http://zig5z7.sa.yona.la/4179 に飛んだ場合、ページ左上には「俺と彼女と彼女の恋。 | zig5z7 | sa.yona.la」と表示される。
6. この状態で左上をカーソルでスリスリしてみると「俺と彼女と彼女の恋。 」「zig5z7」「sa.yona.la」でそれぞれのリンク先が違う。
・俺と彼女と彼女の恋。
→ http://zig5z7.sa.yona.la/4179 へのリンク
・zig5z7
→ http://zig5z7.sa.yona.la/ へのリンク
・sa.yona.la
→ http://sa.yona.la/ へのリンク
ページ左上でのリンク先は「記事単体 | ユーザ別トップ | sa.yona.laトップ」になっているのが「正常」だと思われるが、記事やユーザが存在しない場合はsa.yona.laのみが表示され、それが意味するであろうURLが「通常」と違う。
http://sa.yona.la/help などではページ左上に「sa.yona.la」だけがあってもトップに飛べるせいもある。
今さら誰も気にしてないと思いますが気がついたので一応書いておきます。あくまで不整合であって「不具合」というほどのものでもないですけど。
これは「存在しないページにわざと飛ばす」を思いついたオレが悪いです。すみません。
以下蛇足。
上記では http://zig5z7.sa.yona.la/999999999 に飛びましたが、これを1桁増やして http://zig5z7.sa.yona.la/9999999999 とすると500エラーが出てびっくりします。
この状態でも同じような現象は起こりますが、サイトやページ自体が止まったりはしませんのでとりあえず安心。いくらなんでもそこまで書けないし。
俺と彼女と彼女の恋。 |
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exist outtakes ととの。 |
「バイバイなの」
交差点の向こう、四角い窓枠で外界から切り取られた彼女に前の面影はなかったのに、俺には、彼女が彼女であるとわかった。
彼女と付き合い始めてから、あと9日で丸3年になる。と言っても、その関係はひと月も保たずに一旦別れてしまったので、今では彼女は僕の心の中にいるだけだ。そう思っていた。
考えてみれば彼女は何にでもアイスクリームを浮かせるのが好きだったのかもしれない。そんな描写を心の中で試したことはないけど、アイスコーヒー、コカコーラ、アイスティー、メロンソーダ、抹茶やトマトジュースにまで。
信号待ちで偶然見かけた彼女の声は、道に隔てられ、さらに窓にも遮られて全く聞こえない。彼女は俺に気付いていない。
でも今はそれでいい。俺は彼女でなく彼女の方を選んだのだから。
「どうかしたの?」
隣で俺の手を握る彼女が、俺の顔をのぞき込んで言う。俺は彼女と眼を合わせることができなくなる。
「何よ。かわいい子でもいたの?」
彼女は追及を緩めない。
「いや、彼女、お揃いのヘアピンしてる。猫の。」
「彼女ってドノジョよ。そんな子はいないの、いい? あなたは私のことだけ見ててくれればいいの。」
彼女は握った手を解いたと思ったら俺の指の間に彼女の指を強く割り込ませてくる。
「ほら、行くわよ。信号変わっちゃうじゃない。」
彼女は新しいヒロインを見つけたんだろうか。きっとそうなんだろう。彼女の正面に座っているヒロインであろう彼女はトマトジュースを飲み干して、彼女のアイスをひと匙すくって食べている。彼女は上気しているはずだ。今の俺にはそれがわかる。それを彼女もわかっていて、彼女がそれを止めることができないことも。
彼女、シンユウなの、と彼女はあの時言った。そして俺は彼女でなく彼女を選び、彼女の涙と、別の彼女の別の意味での涙を見て、今この交差点で彼女と彼女と共にいる。
ただそれは今の俺しか知らないことで、彼女に説明するのは無理だし、彼女に説明するのは野暮というものだ。
彼女に説明するために喫茶店に入るのはもっと無理だ。彼女は、彼女よりも彼女よりも、このことを知り得ないだろう。彼女は俺と会ったことがなく、今ここで会うことにもなっていない。
俺の手を引く彼女の手を握り返して交差点を渡り始める瞬間、彼女と眼が合う。俺は彼女に笑いかけて、彼女は訝しげな視線を返す。彼女は正面を向いたままだ。彼女も。
でも、彼女も彼女も、そして多分彼女も、フレームの中だけの存在でないことが俺にはわかるし、少なくとも彼女は自分の恋を食べて生きていることもわかった。今はそれでいいと思えるようになったのも、きっと彼女のおかげなんだろう。
彼の町の夏の祭りの公園のシアンかぶりの夕べの記憶 |
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ばか |
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ATOK先生大憤怒の五七五七七。
はがない風に略すと、ノノノーノ・ノーノノ。
ノ率7/31=22.6%。
まだ増やせないか。
世の鵜の胃の腑の差 ←ノ率44%強。音読してとりあえず意味が通る状態のまま5割以上になることはほぼあり得ないので限界は近い。
タイトルの五七五七七から3つ増やしても3割いかないのか、きちーな。六八六八八にするわけにもいかないし。
木の根の死(木の芽の、木の葉の)
目の絵の
火の気の、火の粉の、は厳しいか
手の毛の(身の毛の、は厳しいか)
津の地の(津の出の)
蚊の血の(厳しいか。吸った分)
屁の音の
魔の日の
柄、尾、苦、酢、瀬、他、田、戸、名、荷、野、歯、葉、日、麩、帆、間、実、無、藻、喪、矢、湯、夜、利、李、和、輪、蛾、画、魏、具、碁、呉、座、字、痔、図、度、場、武、部、
こんなの誰か絶対やってるんですが探し方がわからない。図書館か。
以下蛇足。
「ごーしちご」だと五七五が出ません(iOS 9.3.2)。
ゴナナゴにしないといけないみたい。なんか気持ち悪い。4音だからだろうか。
ゴシチゴでも出ないんだよなあ。
シチシチは出ない。ナナナナだと出る時は出る。へえ、あんたもナナっていうんだ
以下出オチ。
今上天皇はどんな お隠れ方をするのか? |
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ポックリ ポックリ ポックリお隠れ、 ある日の晩にポックリお隠れ。
イギリス、EU離脱か残留か |
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雑感 |
イギリスがEUから離脱して独立独歩でイスラムに向き合うのと、残りのEU諸国が連携プレーでイスラムに向き合うのと どちらが強いか。
ゲームの理論では 「孤立すれば負ける」 であるから EUが連携プレーでイスラムに向き合う方が強い。
もしも、イスラム諸国が連携プレーでイギリス一国に迫ればイギリスはゲームの理論から負けてしまう。
アラブ諸国にはロシアも入り込んできている。 こんなときにイギリスが引けば、引いた分だけプーチン+アラブ勢がイギリスににじり寄る。
イギリスとロシアは仲が悪いんでしょ。
よって、イギリスが取るべき道は残留である。
なんだけど、イギリスが過去にインド、東南アジアに対してやったことを考えると、もう少しガツンとやられて衰退してほしいから離脱。
日本政府が“トランプ封じ”に動き出した! パリ協定の承認案審議を今秋実施 で調整 年内発効に協力 |
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Quote 天皇 |
政府が地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」承認案の審議を今秋の臨時国会で実施する調整に入ったことが18日、分かった。平成29年の通常国会を想定していた当初の日程を前倒しし、年内の協定発効に協力する。米大統領選で共和党候補指名が確定したトランプ氏が協定から脱退するのを防ぐ“切り札”にするとともに、温暖化対策のルール作りで主導権を確保する狙いがある。
日本は温室効果ガスの排出量で世界全体の3・8%を占める主要排出国の一つ。パリ協定の発効には少なくとも55カ国が批准し、参加国の排出量の合計が世界全体の55%に達する必要があり、日本が承認時期を前倒しする影響は大きい。
相手がトランプだから ということじゃない。 次の天皇のテーマが環境問題だから強く出る。 これから先、日本は環境問題に対して全然引かずに強く出ると思う。 それは 次期天皇の発言ポジョンを明確にし確かなものにするため。 つまり、王の椅子を用意しようとしている。
今上天皇のテーマは前の戦争の賠償や迷惑をかけた国々との和解だった。 今上天皇がお隠れになるとそれも終わる。 次は環境問題。
土を食み、たゆたう者 * 6/19 |
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exist Reply |
外から見える私たちは、窓枠で切り取られてふたりきり、小さな水槽に入れられた魚のように見えるだろうか。区切られた世界にふたりだけで、誰も私たちを指差さず、私たちの存在を知りもしない、そんな世界。
溶けないこのアイスと同じように、一途な私の想いは、溶けてもコーヒーにはきちんと混ざらないのと同じに、どこにも行けず、何にもなれず、私の胸の中でただふくらみ続けている。
「マスター。これ、美味しいんですかね。」
私がつまんでいるのは魚の餌だ。
「ん? ああ、お腹すいたの? 食べてみてもいいよ。お勧めはしないけど。お砂糖とミルクはお使いですか。」
マスターはゴブレットを磨きながら、真顔でそんなことを言う。
「いえ、いいですよ。だってこれ土とか砂みたいじゃないですか。」
「ブラックがお好みでしたか。」
「そうじゃなくて。いつもぱくぱく美味しそうに食べてるよなあって思って。」
「あまり量をやらないでくれよ。食べすぎたり溶け残ったり、ろくなことないから。」
マスターの手がゴブレットからタンブラーに移ったのをきっかけに、私は餌を注意深く量って水槽に落としていく。
「その水槽はそいつらの街であり寝室であり、風呂であり食堂でありトイレでもあるからね。」
「後半の話は、お客様がいらっしゃったら止めてくださいね。」
そんな風にデリカシーがないから離婚になっちゃうんですよ、という軽口はまだ叩けない。
しばらく前に、何だか最近元気がないなと思ったことはあったが、マスターはどうやらその頃に離婚していたらしい。私が先週、テーブル席を片付けていた時、カウンターの中の手が止まる気配を背中で感じた。
話題を出した常連のお客様は私がそのことをとっくに知っていると思っていらしたのだろうか、それとも知らないと見て、あえて軽い触媒の役を買って出たのか。私は普段、この店では聴覚を半分閉じて、お客様の会話を全部は聞かないようにしている。でもあの時は私の手も止まりかけた。
マスターはそれに気付いただろうか。動揺の理由まで気付いただろうか。本当の理由は私も自分ではわかっていないのかもしれない。
「コーヒーも、よく考えると泥水みたいなものですね。」
磨かれたタンブラーを見て私は言う。さっきお帰りのお二人、コーヒーフロートの方のお客様にお出ししたグラスだ。
「失礼だな。」
マスターが笑う。
「水清ければ魚棲まずって言うだろう。この店だって結構淀んでるし、そういうのも必要なんだよ。」
私たちは父娘と見るには顔立ちが全く似ておらず、夫婦にしては歳が違いすぎ、多少の冗談を言い合えるようになってきてはいるものの、いつ誰がどこからどう見てもやっぱりただの店主と店員で、さっきのお二人が窓枠に収まる姿はその後ろに華やぐ街を写したようだった。
「マスター、お客様がいない間にちょっと練習させてください。ゴブレット使いたいんですけど。」
「いいよ。今日はそっち側で見ててみよう。」
「濃い方の水出しも使っていいですか。」
そう言いながら入れ替わりにカウンターに入って手を洗い、ブランデーと生クリームを準備する私に、マスターがまた笑う。
「店主に昼間から飲ませる気か? そんなんじゃ、もらい手がいなくなるよ。」
「メニューに載ってるじゃないですか。泥水と気違い水、お混ぜします。」
「後半みたいな言い方は、お客様がいらっしゃったら止めてくださいね。メニューの名前で言うように。じゃあ、もらおうかな。」
じゃあ、もらってくださいよ、とはまだ言えない。言った方がいいのかどうかもまだわからない。
私は黙ったまま夏の午後の窓枠を横目に、澄んだ闇と憂いを静かに混ぜ、不透明に明るい幕で覆う。バーだったら振ってしまうのだろうか。それともこれ以上触れないままの方がいいのだろうか。
「いいと思うよ。上手くなったね。」
味見をして微笑むマスターが、ゴブレットをコースターごとゆっくりこちらに滑らせる。白と黒の境目は傾けられたグラスの壁で溶け合い、カウンターに置かれた後もすこしだけ土の色に揺れている。
同じ色が唇に乗ったマスターに、私は紙ナプキンを差し出す。マスターの唇が触れていない側から味見をして、それでもマスターと同じ色になった唇をもう1枚の紙ナプキンで押さえ、ゴブレットの縁を軽くなぞった親指を拭う。
あなたを愛す * 6/18 |
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itext Reply |
買い物へ出るよう水を向けたのは僕で、アイスに名前を書かずに友人の部屋の冷凍庫に入れておきたくなったのも僕だ。そしておまけのように見つけたシャーベットに、小さく願を掛けて割ると、きれいにふたつになった。
うまく割れても割れなくても、友人の利き手に近い側の手にあるほうを渡すことは買う前から決めていたし、実際そうした。友人は僕がアイスをうまく割れるかどうか気にしていただろうか。どちらを渡すか気にしていただろうか。
ハンカチでぱたぱたと顔を仰ぎながら、通りすがりの喫茶店へ入る。このまま歩き続けるには暑過ぎる。少し休んで行こうと、素早く交わした目配せでそう言い合った。
彼女はアイスコーヒー、私はコーヒーフロート、メニューを斜めに見て互いに10秒も掛からずに注文は決まり、窓際の席で涼しい風を堪能して、私たちは路上を行き交う人たちを眺める。
路面からかげろうの立ち上る、夏の午後、汗を拭うのにハンカチ1枚では足りず、私はすでに使っていたハンカチをカバンの奥へ押し込んで、新しいのを財布の上辺りへ置いた。
「暑いね。」
「暑いね。」
ちょっと違う調子で言い合って、すぐに出て来た冷たい飲み物に、私たちはさっそく口をつける。
店内にぎっちりと満ちた冷たい空気で、汗まみれの皮膚は冷やされ、氷の浮いたコーヒーで喉の奥と胃が冷やされてゆく。
ようやく人心地ついて、私たちは同時につるつるしたテーブルへ肘をついた。
「飲む?」
彼女が、自分のアイスコーヒーを私の方へ差し出して来る。私は首と背中を伸ばして向こう側へ近寄り、ストローを唇の間に挟んだ。
すでに彼女が触れているそのストローから、私はひと口、ゆっくりと苦いコーヒーを飲む。
「飲む?」
お返しと言う素振りで、私は自分のコーヒーフロートを彼女の方へ滑らし、私がすでにそこに唇を寄せたストローの先に、今度は彼女の唇が触れる。白いストローに薄く茶色が走り上がってゆく先の、彼女の口紅がなくても十分に赤い唇に、私はじっと目を凝らしている。
「あまーい。」
「ブラックは飲めないもん。」
彼女が大袈裟に言うのに肩をそびやかして、彼女の唇の感触が消えないうちにと、私は急いでストローへ指先を伸ばす。
冷たいはずのコーヒーが、そのひと口は何だか熱く感じられて、唇を離した後で私はむやみにストローで氷をつついた。
彼女が、この間見た映画の話を始める。貧しい若者たちが何となく集まって、楽しく苦しく騒がしくバンドをやる話だ。きっと好きだと思うよと、彼女が私に言う。そうだろうねと私が相槌を打つ。
すでに見ていることは言わない。だったら一緒に行こうよと、彼女に言うためだ。私と一緒に、彼女はすでに見ているその映画を、もう一度見てくれるだろうか。
映画の前にお茶をして、映画の後に食事をして、そうして互いの乗り換えの駅で分かれて、私たちが友人同士でないなら立派なデートだけれど、私たちはただの友人で、今も彼女の買い物の付き合いに街に出て来て、私は内心とても浮かれている。
彼女はもう半分以上アイスコーヒーを飲み終わり、私はまだコーヒーに浮いたバニラアイスには手をつけず、良く効いた冷房のせいで、アイスは最後まで形を保っていそうだった。
外から見える私たちは、窓枠で切り取られてふたりきり、小さな水槽に入れられた魚のように見えるだろうか。区切られた世界にふたりだけで、誰も私たちを指差さず、私たちの存在を知りもしない、そんな世界。
溶けないこのアイスと同じように、一途な私の想いは、溶けてもコーヒーにはきちんと混ざらないのと同じに、どこにも行けず、何にもなれず、私の胸の中でただふくらみ続けている。
ずずっとちょっと品のない音を立てて、彼女がアイスコーヒーを飲み終わった。私も慌てて自分のストローへ視線を落とし、まだぼってりと丸い形を崩さないアイスの、わずかに黄みがかった白い輪郭を、なぞってそれが彼女のとても柔らかそうな頬の線に似ていると思う。
「ひと口ちょうだい。」
アイスが割れた日 * 6/18 |
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exist |
最後のひと口を落とし掛けて、僕は慌ててそれを舌の先に受け止めた。溶け垂れた青い雫が肘まで滴って、僕のジーンズにぽつんと染みになった。
「なあ、アイス食うか?」
突然のように、買い出しのついでのように訊いた僕に、友人はおうむ返しで訊き返す。
「アイス?」
僕は念を押す。
「アイス。」
「アイス?」
「アイス。」
いいな、と友人は言って、僕ははやる心を抑えながら保冷ケースに近づいてアイスを選び始める。
この町のスーパーは地元より大きく、昔よく食べていたアイスももちろん揃えてあったけど、実家を出てからはこの手のものを買うことはほとんどなくなっていた。寮の冷凍庫からバケツのような大きさのアイス(自分の名前が書いてある)を出して掘り進むのがあまり好きではないせいもある。ここではこれはどうせ自分で全部食べるのだからとスプーンを直に突っ込んでいるのを女の先輩に見られた時、からかうようなその視線に、僕に女の子っぽい名前をつけた父を恨んだものだ。
実家でいつも食べていたチョコチップ入りのバニラアイスをカゴに入れ、何の気なしに隣のケースに目をやると、やはり昔よく食べていた水色の氷菓子を見つけた。ひとつ取り出して友人に見せる。ふたりが会ってまだ日が浅いころ、このシャーベットって都庁みたいだと言ったら友人はすこし考えてから、ああ、と笑ったのを覚えている。
「帰り道で溶けるよ。」
「食いながら帰ればいいだろ。」
ぶっきら棒で行儀の悪い答えに苦笑する友人と会計を済ませて、僕らはスーパーを出る。袋を破ってアイスを割り、ひとつを友人に渡す。
こういうことをしなくなったのはいつ頃からだろうか。小学生も高学年になると男女間では多少ぎこちなくなり始めるものだし、女性同士でも中学生くらいからは周りの目が気になるらしい。
後輩とアイス(コカコーラの瓶のような形のものだった)を分け合ったら女生徒たちの間でしばらく噂になったことを思い出す。女子力なんて言葉はまだない頃だったが、僕には男子力のようなものはあったようだ。
「サークルの連中に、週末は友達を部屋に泊めて自分は原稿を書き友達のほうはゲームで夜を明かしていると言ったら呆れられたよ。どっちからも襲わないのかって。」
どっちが襲う側だと思ってるんだろうな、と困ったように笑う友人はなぜかすこし恥ずかしそうにも見える。僕は小さい頃から背が高く、髪はショートで、胸もなかった。それは友人もそうだったらしい。
並んで歩きながら、誰かがこれを見たら今も男っ気のないふたりが買い食いしてるように見えるんだろうかと思う。アイスはかじられる間にもどんどん溶けていき、ふたりの手や指を汚す。それを舐めながら僕は棒に残った最後のひとかけらを急いで、焼き鳥でもかじるようにむしり取る。
「こんなだからふたりともモテないのかな。」
「これでも女子校ではモテた方なんだけど。お前はネットゲームで男と間違えられたって言ってたよな。」
「ネットの一人称はボクかオレくらいでちょうどいいんだよ。」
「お前、普段からそうだろ。」
「普段からひとのことをお前とか言う女の子に言われたくない。」
そう答えた僕はアイスの棒をくわえて一歩前に出る。ひと月前よりずいぶん短くなった影と影が、一瞬重なる。
買い物へ出るよう水を向けたのは僕で、アイスに名前を書かずに友人の部屋の冷凍庫に入れておきたくなったのも僕だ。そしておまけのように見つけたシャーベットに、小さく願を掛けて割ると、きれいにふたつになった。
うまく割れても割れなくても、友人の利き手に近い側の手にあるほうを渡すことは買う前から決めていたし、実際そうした。友人は僕がアイスをうまく割れるかどうか気にしていただろうか。どちらを渡すか気にしていただろうか。
緩んだアイスの最後のひと口をごくんと飲み終えた友人は、肘まで伝った青い滴を気にしながら、僕の真似をして棒をくわえ、僕の真似をして一歩前に出る。ふたりが並ぶと、影はまた離れる。
部屋に帰ったら友人はまた原稿の続きに取りかかるのだろう。やれ入稿だとか早割だとか、この時期ならではらしい単語がたびたび出てくる。僕のくわえたアイスの棒はすっかり温くなっているけれど、舌はまだ青く冷えていて、すこしだけ痺れたままだ。
シンクの下の扉を開けようとして引っかけた痕がどう見てもためらい傷。 |
返信 |
中途半端に恥ずかしい。
アイスの溶ける季節 * 6/17 |
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itext |
アイスを買って帰りたくなる季節ほど、帰り道でそのアイスが融ける。
暑くなればアイスが溶ける(直球)
「メシどうする?」
友人が訊く。ゲームがひと段落したのか、指先でまだぱちぱちコントローラーのつまみを弾きながら、僕の腕の下の原稿用紙へちらりと視線を走らせた。
「何か買って来るか。カップラーメンでもいいだろ。」
「何だよ、何にもねえのかよ。」
「おまえが昼に全部食べちゃったんだろ。夕飯のつもりだったんだぞアレ。」
汗に湿って肘にすぐくっつきに掛かる原稿用紙をテーブルにしっかりと押さえつけて、僕は傍らのタオルで腕を拭く。鉛筆の下書きだからまだいいが、ペンが入り始めたら汗でインクがにじまないようにするのにひと苦労だ。
「冷やし中華売ってるかなもう。」
「多分。」
歩いて10分のスーパーへ、肩を並べて出掛ける。夕方は過ぎてまだ明るいが、人通りは少ない。
僕が住んでいるアパートに、寮暮らしの友人(クラスは違うが学年は一緒だ)はたびたびやって来て、週末はゲームで徹夜をして泊まり込んでゆく。僕はどうせマンガの原稿(僕は漫研と文芸部のメンバーなのだ)の締め切りでいつも夜更かしだから、友人が傍でひと晩中ピキピキやっていても邪魔にはならない。
わざわざ僕の部屋にゲーム機を持ち込んで、滅多と見ることのないテレビに繋いで、ゲームに飽きると原稿中の僕にコーヒーを淹れてくれたり、僕の原稿を見てあれこれ言ったり、僕の本棚の本や漫画を読んでけらけら笑っていたり、僕の勝手気ままなひとり暮らしの部屋が気に入っているだけだろうが、僕らはそれを除いても何となく気が合った。
ゲームに夢中になると他のことが目に入らなくなる友人は、原稿の締め切りが近くなると目に血の走る僕とよく似ていたし、そんな友人のゲームを中断させてカップラーメンを一緒にすするのは僕で、僕の原稿を休憩させてコーヒーを差し出してくれるのは友人だった。
スーパーにはもう冷房が入っている。ひんやりとした空気に、僕らはまるで生き返ったように背を伸ばし、友人がカゴを取って、店の中へ進んでゆく。
冷たい麺の類いは見つからない。いなり寿司をふたり分取って、いつものようにインスタントラーメンの棚へ行き、明日の夜までの分をふたり分、自分の分を勝手に好きに選んでカゴに放り込む。
払いは友人だ。でも僕はだからと言ってむやみに高いのを手に取ることはしない。
「菓子パンでも買ってくか?」
カゴの中を眺めて、友人が言う。頭をパンのコーナーへもう巡らせている。
「パンか・・・。」
僕は気の進まない表情を浮かべた。
「どうせ夜に腹減るだろ。」
「そうだけど・・・」
友人はパンのコーナーではない方へとりあえず進み出し、僕はじゃあ何が欲しいかと考えながら後へ続く。
ラーメンといなり寿司の後なら、もうちょっと違う感じの──
シンフォニアテクノ、イチゴの人工光型植物工場システム事業に参入 |
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技術 |
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http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00389353
イチゴも野菜工場で作れるようになった。 しかし 工場の建物まで建てると経費がかかりすぎて見合わない。 使われていない建物を改装してシステムを入れる形になる。
Re: お遍路さんモチーフのループもの、という舞台を思いつきましたがその先が書け ない。
たぶん、それがモチーフにしているのは |
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お遍路さんじゃなくて千日回峰行のほうだと思う・・・・
【以下、直接関係なし】
リゼロの結末、全てが解決して目が覚めた後に、露天のオッサンにリンガって言われそうな予感がしてならない。
なんだこれ — 好きで働くのがキライな訳じゃない |
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Quote |
http://www.freem.ne.jp/win/game/11108
http://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/shumatsu/1004509.html
本作の特徴的なゲームシステムは、ハイエクに設定されている“労働意欲”というパラメーターだ。ゲームスタート時には365日分(1年分)の労働意欲があるが、1日働くごとに1日分減っていく。つまり、ハイエクが真面目に働こうとすると、3年間のうち1年間しか働けないのだ。
このパラメータのため、自分が一切働かなくても、会社の従業員に働いてもらうことで上手く商売が回るような仕組みを作り上げることが、本作において最も重要な要素となってくる。第639回:“働かない”ことに全力を尽くす!ニートな経営SLG「好きで働くのがキライな訳じゃない」 - 週末ゲーム - 窓の杜
すげえ。働いたら負け。
うちのリモコン用iPhoneでたまに出るダイアログ。 |
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手間のかかることを |
うるせえ、よけいなお世話だ。
お前は今や現役を退いて、もうただのリモコンなんだから、そういうの気にしなくていいの。
このiPhoneは、
・リモコンなので、ロックはしていない
・リモコンなので、電源やWi-Fiには繋ぎっぱなし
・iPhoneなので、いざという時にはiCloudにつなげて最低限の情報だけは引っぱりだせるようにしておきたい
うん、ダイアログが出るのは、オレの使い方のせいだね。